竣工年月 2021.12

家は、住む人が必要な広さ、大きさであればよい。ちょうどよいことが大切だ。
だがもし、広い土地に、小さな家を建てれば、“ポツン”と寂しく見えてしまうかもしれない。そのように見えることが悪いわけではないが、より“ちょうどうよさ”を求めるならば、ほかの方法をとるべきだ。
1階を正面からみると、敷地幅いっぱいに建てられた、間口の広い家に見える。だが裏へまわってみると、建物がL字型であることが分かる。
四角い家とL字の家との違いは、住まう人の移動距離にあらわれる。
四角い家は回遊動線にでき、どこからでも、どこへでも行きやすい。
だがL字であればそうはいかない。
だからこの家では、空間ごとの役割を明確にし、暮らしの動線を決めて設計がなされる。
それでもL字の端から端へと行くことはある。そんなときもメリットがある。
移動するとき、庭に面した窓から自分の家が見える。家に居ながらにして、家を見る。
そんなこと、L字でなければできない、ささやかな楽しみだ。
「人は移動するときに物事を考える」と聞いたことがある。
この家のかたちは、ちょうどよい心地よさと、ゆっくり考える時間を与えてくれるのだ。




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