竣工年月 2024.03

南には雑木林のような崖がある。
外壁は、継ぎ目がなくきれいに仕上がる左官塗りで、グレー系のアースカラーが街並みになじむ。
玄関に足を踏み入れると、格子をあしらった階段が視線の先にある。ここには、時間帯により、大きな窓から格子を通して玄関に光が入り、壁に美しい影が映る。
このことに気づけるかどうかは、タイミングやその時の心持ち次第かもしれない。
だが、自然と家が調和してつくりだす、ささやかだが美しいこの景色を見ることができるのは、住人だけの特権だ。
リビングの一部の天井にはスギ板を使用し、床材はウォルナットに。
壁面にはL字形にダレーのタイルを張り、間接照明を忍ばせて、落ち着きのある空間をつくりあげた。
住まいの雰囲気に合ったソファやダイニングセットを施主とともに選んだことも、空間に違和感がない理由の一つだろう。
南向きの窓のバーチカルブラインドを開けると、崖側に生い茂る木々の緑が視界を埋め尽くす。
季節によって姿を変えるこの森の緑に、人目を気にせずに癒されるのも、ここに住まう人だけだ。




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